鈴木ジャパンが始動する。今月1日付で就任した柔道男子代表の鈴木桂治監督(41)は24年パリ五輪へ向け、激しいサバイバル戦術で選手強化を図る。

12日午前、初陣となるグランドスラム(GS)パリ大会(16、17日)に出場する日本代表とともに成田空港を出発。今大会は東京五輪代表は出場せず、男子は各階級の2、3番手を中心に計12人が出場する。鈴木監督はコロナ禍での貴重な実戦に向け、「こういったワンチャンスをものにする力を見せてほしい。(五輪後初の国際大会となるが)勝負どころの強さや結果を求める大会だと思っている」と選手たちの活躍を期待した。

3年後のパリ五輪のシード権確保を考慮すると、来年から各階級の絞り込みが始まる。その分、この1年はできるだけ多くの選手を大会に派遣させて、激しい代表争いを促す考えだ。今大会は自ら全日本柔道連盟に懇願し、海外の国際大会では異例の代表12人を派遣した。「いろんな選手にチャンスを与え、現状の世界のレベルを知ってほしかった。大所帯となるが、選手たちもライバル視するだろうし、そういった気持ちも持ってほしかった」。東京五輪の金メダリストについては「1歩リードぐらい」との考えを示し、さらなる競争の活性化を期待する。

大会開催国のフランスは、東京五輪男女混合団体で金メダルを獲得するなど柔道大国として知られている。3年後の大舞台を見据え「(パリの)街も五輪色になり、違った空気感になっていると思うのでそういったことも感じたい」と、実り多きパリ遠征になることを願った。

 

以下、出場選手

◆60キロ級 古賀玄暉(旭化成)、永山竜樹(欠場=了徳寺大職)

◆66キロ級 田中龍馬(筑波大)、藤阪泰恒(パーク24)

◆73キロ級 橋本壮市(パーク24)、原田健士(ALSOK)

◆81キロ級 藤原崇太郎(旭化成)、佐々木健志(ALSOK)

◆90キロ級 長沢憲大(パーク24)、村尾三四郎(東海大)

◆100キロ級 飯田健太郎(旭化成)

◆100キロ超級 佐藤和哉(日本製鉄)、小川雄勢(パーク24)