再起のシーズンで笑顔を咲かせる。Vリーグ女子2部(V2)は30日、山形・酒田市国体記念体育館などで開幕する。アランマーレは千葉エンゼルクロスと対戦し、翌31日は今季からV2参戦のリガーレ仙台と戦う。在籍4年目の木村友里(26)は昨季終盤に右足アキレス腱(けん)を断裂し、戦線を離脱。悔しさを糧に成長した姿を、本拠地のコートで表現する。

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最高の結果を残してみせる。昨季は6連勝などで優勝争いに絡むも、1月以降の10試合がコロナ禍で中止に。リーグ最終戦となった群馬銀行戦で敗れ、全体3位でV1との入れ替え戦を逃したが、過去3シーズンで最高の順位に輝いた。開幕ダッシュを狙う今季は、19-20シーズンから10連勝中のホームで開幕戦に臨む。木村は「開幕から勢いを持って全員で戦ってV2優勝。入れ替え戦の切符を取ってV1昇格ができるように頑張りたい」と力を込めた。

攻守の要が戻ってきた。負傷した2月から始まった長いリハビリ生活は途中、焦りや息詰まる時もあった。それでも「今やるべきことを明確に、1日1日やっていくことだけ」と気持ちを保った。入団から3シーズンは主力選手として実戦機会が多く「外から見ることで学んだこともあった。自分の体と向き合える時間にもなって、新たな自分を知ることができた」と前向きに捉えた。全体練習の復帰は8月。開幕に向けて徐々に状態を上げてきた。

真剣な姿は届いている。北原勉監督(41)は「(木村は)オフの日も返上して調整していた。負傷する以前よりもレベルが上がった状態でカムバックしてくれた」と復帰と成長を喜ぶ。連係が取れたトータルディフェンスに加え、今季から“超攻撃型”バレーを掲げており、長年チームを支えた木村への期待は大きい。

大ケガを経て、臨む勝負の4季目。V1昇格の思いは強い。

木村 絶対に復帰して、去年よりもパワーアップした形でコートに戻るという気持ちが強かった。新加入の選手は、相手を吹き飛ばすようなスパイクを打ててパワフル。私はそういうタイプではないので、相手のコートを見て相手が嫌がるプレー。あとはディフェンス面で安定感を出していきたい。

自身の役割を全うし、開幕から勝利の喜びを分かち合う。【相沢孔志】

◆木村友里(きむら・ゆり)1995年(平7)9月30日生まれ、東京・北区出身。淑徳SC-日体大。18年にアランマーレへ加入。169センチ。ポジションはアウトサイドヒッター。コートネームは「ユリ」。