バレーボールVリーグ男子1部の東レ(三島市)は、15日の開幕戦でVC長野と対戦(松本市総合体育館、午後7時半)する。磐田市出身のセッター酒井啓輔(25=浜松商高出)が、勝負の3年目へ闘志を燃やしている。

昨季は自己最多27試合に出場した。だが、「今までに納得したシーズンを送ったことはない」と振り返る。「今季は勝負の年。メンタル面を重視して取り組んできた」。昨季までは精神的な波が大きく、1度のミスから負の連鎖に陥る場面が多かったという。オフシーズン中には、メンタルトレーニングや心理学の本を読み込み、「心の強化」に努めてきた。

先発した8日の1部FC東京との練習試合では、効果的なトスワークで攻撃をけん引。勝利(4○1=特別ルール)に貢献した。「これまでは勝手に自分で悪い方に考えてしまっていた。目に見えない部分なので難しいが、確実に良くなっている」と手応えを示した。

東京五輪とアジア選手権(千葉)に出場したセッター藤井直伸(29)が、9月下旬に合流。他の選手と比べて調整が遅れていることもあり、酒井に懸かる期待は大きい。篠田歩監督(41)は「2パターンのチームをつくる必要がある。酒井のブロックの高さは、他のセッターにはない武器」と高く評価した。

酒井は「優勝を目標として掲げつつ、目の前の一戦に集中して戦いたい」と強調。5季ぶりの王座奪還へ向け、まずは開幕スタートダッシュを決める。【古地真隆】

◆酒井啓輔(さかい・けいすけ)1996年(平8)8月25日、磐田市生まれ。小2から磐田豊田VSCでバレーボールを始める。市立豊田中-浜松商高-筑波大。19年に東レへ入部。186センチ、76キロ。趣味はドラマ鑑賞。

 

○…三島市出身のアウトサイドヒッター富田将馬(24=沼津中出)が、2年目のシーズンへ決意を示した。惜しくも東京五輪代表の12人からは落選。「悔しさはあったが、テレビ観戦を通じて良いところを学べた」と前を向く。昨季はルーキーながら全33試合に出場。今季も主力としての活躍に期待がかかる。「優勝を目指して、一体感を持って戦う」と意気込んだ。