体操男子でオリンピック個人総合2連覇の内村航平(32=ジョイカル)が「共闘」を誓った。生まれ故郷の福岡県北九州市で開催される世界選手権開幕を翌日に控えた17日、会場の北九州市立総合体育館での公式練習に参加。種目別の鉄棒で優勝を狙うが、「前日に演技の練習もして、ミスはなくはできている。なんとか気持ちと体の調子を合わせられているんじゃないか」と本番を見据えた。

東京五輪で予選落ちに終わった直後に発したのが、「米倉に土下座したい」だった。国内の代表選考で1枠を争った跳馬の米倉英信へ、ふがいない結果に終わったことを謝罪した。

その後輩は、今大会で初の世界選手権を迎える。「航平さんと一緒に金メダルを取りたい」と話していることを聞くと、「互いに九州出身で、なじみのある体育館でできる。共通点もあるし、熾烈(しれつ)な選考で日本中の体操ファンが知ってくださっていると思う。そこは米倉とともにやりきりたい。彼も意識をしていると思う。互いに良い演技で盛り上げたい」と期した。

9月の全日本シニアでは着地でミスが出た。現在も好調とは言い難いコンディションだが、かける思いは強い。「いまできる演技をやりきる。生まれ故郷でやれるのは、感謝しかない。まして有観客なので、そこも感謝して、応援してくれるみなさんに感謝の気持ちを込めて演技をしたい」と言葉に力を込めた。【阿部健吾】