新天地で輝きを放つ。Vリーグ女子2部(V2)のアランマーレは7月、溝口由利香(26)の加入を発表した。リベロ(守備に徹する役割のポジション)の溝口は、18年から3年間、V1姫路に所属。元全日本女子代表の竹下佳江さん(43=V1姫路球団社長付エグゼクティブアドバイザー)の下でプレーした。日本最高峰で得た経験を生かしてV1昇格への欠かせないピースとなる。

期待を背に、後方から仲間を支え続ける。6月に富山で開催されたサマーリーグでのリベロ登録は、大卒ルーキーの長尾のどか(23)のみ。リーグ戦を前に加わった溝口について北原勉監督(41)は「V1でレギュラーだったので能力も技術力はもちろんある。これまでの経験をチームに還元してもらえれば」と期待を寄せる。

世界を相手に戦った指揮官の言葉が今でも耳に残っている。竹下さんは現役時代、3大会連続で五輪に出場。引退後は、16~20年まで姫路で監督を務めた。溝口は「私は嫌なことがあったらすぐに態度や顔に出してしまう。でも、それではチームのプラスにならない。物事を言う時には相手のことを思って話をしなさいと、言われていました」と振り返った。

3月に姫路を退団し、6月にチームに合流。「選手やスタッフに対してコミュニケーションを取ることを心がけて(まずは)バレー以外の部分から意識しました」とコミュニケーションを重視してきた。

移籍後初のユニホーム姿を30日、酒田での開幕・千葉エンゼルクロス戦で披露する。「去年の酒田大会はファンの方でほぼ満席だったと聞きました。チームが頑張っている姿を見ていただいて、元気を与えられるプレーができたら」。今季を占う一戦で白星を飾り、献身的なプレーでチームを創設初のV1へ押し上げる。【相沢孔志】

◆溝口由利香(みぞぐち・ゆりか)1995年(平7)9月23日生まれ、福岡市出身。純真高-日体大。18年にV1姫路に入団。21年3月に退団し、同7月からアランマーレでプレー。158センチ。ポジションはリベロ。コートネームは「ユリカ」。