オーストラリア出身の日本代表選手が、特別な思いでピッチに立つ。

ロックで先発するジャック・コーネルセン(27=埼玉パナソニックワイルドナイツ)は、父のグレッグさんが元オーストラリア代表の名選手。フランカーやNO8として活躍した。自身は桜のジャージーを着て、初めて戦う母国の代表。日本のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(51)は試合2日前のメンバー発表時に「ジャックは父がワラビーズ(オーストラリア代表)で、彼にとっては特別な感情があるのではと思う」と代弁した。

先発フランカーのベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ)も23歳最後の日、母国を相手に初キャップをつかむことになった。ブリスベンボーイズ高卒業後の16年にパナソニックに加入。今春の代表活動時には「横を向いてもスーパースターが周りにいる。最初はなかなか信じられなかった」と口にした。主将のピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、前主将のリーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)ら、実力者が主戦場とするフランカーで勝ち取った先発だ。

6月には若くして日本にやってきた決断を、このように振り返った。

「オーストラリアにいたら、今の自分のレベルにいない。ラグビー選手を、もしかしたらしていなかったかもしれない。週末にクラブラグビーで楽しくプレーしていたかも。日本に来て、ラグビーの環境に入り込んだことで、今がある。自分のラグビーをしっかりやることができているのは、日本に来られたからだと思っています」

その思いを胸に、日本を背負って戦う。【松本航】