女子は旭川大高が準々決勝で東海大札幌を2-0で下し、初の4強入りを決めた。就任3年目福田まどか監督(44)のもと、ケガを抱えながら出場した佐藤陽向主将(3年)を中心に全員バレーで勝利をたぐり寄せた。13日の準決勝では監督の母校で、総体道予選との2冠を狙う旭川実とぶつかる。そのほか男子で3連覇を狙う北海道科学大高など男女ベスト4が出そろった。

    ◇    ◇    ◇

旭川大高が新たな歴史を刻んだ。江陵時代に4強に導くなどの指導歴を持つ福田監督は「(大会)最終日の舞台をあの子たちに経験させたい。最低限の目標と言ってきたので良かった」と胸をなで下ろした。第2セット後半から出場した佐藤陽主将が、24-11の場面でサービスエースを奪い、試合を決めた。「自分が決めようかなと思って打った。うれしいけど明日が勝負なので」と引き締めた。

佐藤陽主将は今年1月の練習試合中に左前十字靱帯(じんたい)と半月板損傷の大ケガを負った。全治約1年と診断され、3月に手術。6月の総体道予選ではマネジャーとしてベンチ入りした。最後の大会出場も危ぶまれたがリハビリを経て、10月に医師から運動の許可が下りるまでに回復した。まだ膝は完全に曲がらない。それでも「途中から(試合に)入るので、雰囲気を上げたり、自分の今できるプレーをパッと出せるように」と全国舞台に万全な状態で臨むことを目標に、今できる仕事を全うしている。

4強の他3チームと違い170センチを超える長身選手はいない。試合で決めきれるスパイク力を磨き、総体道予選で4強入りするなど着実にレベルアップしてきた。仮想強豪チームとして、旭川大学の170センチを超える選手相手に練習を積み、高さ不足を克服してきた。

全国まであと1勝。準決勝で監督の母校、旭川実と対戦する。福田監督は同校の岡本祐子監督(43)の2学年先輩にあたる。佐藤陽主将は「私たちは小さいので全力で戦いたい。実業に勝って全国に行きたい」と気合を入れた。【山崎純一】