パナソニックが全勝対決で唯一無傷の6連勝を飾り、リーグ戦1位突破を決めた。富士通を26-20で振り切り、勝ち点を18まで伸ばした。最終節でエレコム神戸に負けると、富士通かオービックと同率の可能性もあるが、いずれも直接対戦での勝利で1位が確定した。上位4チームによるセミファイナルでは、12月12日に大阪でリーグ戦4位と対戦する。

パナソニックは先制TDを奪われたが、すぐに同点のTDパスを決める。ここからは守備が連続ファンブルリカバーし、いずれもFG成功でリード。さらにFGブロックから前半最後もFGを決め、16-7で折り返し。後半はTDパスに、4本目のFGにも成功し、終盤に2TDを喫するも振り切った。

最後は6点差に迫られたが、スコア以上にパナソニックが試合を支配した。富士通のエースRBニクソンにランで2、パスで1と3TDされたが、得意のランでロングゲインを許さず。ハードタックルでファンブルもさせた。荒木監督は「粘り強く守ってくれた」とほめた。

キッキングの差も大きかった。K佐伯真が最長45ヤードなど、FGを5本中4本成功させた。富士通は2FGとも失敗で1本はブロックで阻止。パントでも69ヤードで押し込み、キックオフリターンではRBミッチェルが51ヤードで同点TDをお膳立てした。

佐伯真は「4本を決めたのは初めて。こういう試合になると思っていた。ヤマ場を勝ち切れてよかった」と安堵(あんど)した。荒木監督は「FGがめちゃ大きかった。鍵になると思ったが、きっちり結果を出してくれた」と喜んだ。

攻撃は支えてきたランが64ヤード止まりも、パスで2TDを挙げた。決勝TDのWRブレナンは米国でプレーを目指していたが、プロ選手として今季入団して初TD。「いい選手が多く、出場機会が少なくて。やっとTDできてうれしい」と満面の笑みだった。

早大では19年の甲子園ボウルで3TDの大活躍も、関学大に敗れた。初のライスボウル出場、悲願の日本一も目標に入団した。「日本一になって、また米国で挑戦へのステップにしたい」と意気込んだ。

今季からXリーグ決勝が、来年1月3日のライスボウルに移行となった。1位通過も最後に富士通かオービックと再戦の可能性は大きい。荒木監督は「先を考えずに勝ちに行った。富士通はけが人もいて、ベストではない。それでも最後は追い上げられた」。先を見据えて頭はすでに切り替え、すぐさま大阪への帰路についた。