今月の世界ボクシング選手権(セルビア)バンタム級で日本勢初の金メダルを獲得した坪井智也(25=浜松市出身、自衛隊)が25日、母校の浜松工高に凱旋(がいせん)した。

1000人超の在校生らに優勝を報告。目標だった東京五輪代表を逃したことを振り返り、「ボクシングをやめようかと思った」。その後の2年は「やり続けることが大事と考え、練習などすべてを見直し、今回世界一をとれた」と話した。

恩師の同校ボクシング部・豊田浩一監督(61)にチャンピオンベルト獲得を伝えた。「喜んでくれた。(ベルトを)見せられてうれしかった」と笑顔。今後は来年9月のアジア大会を目指し、「まだまだレベルアップできると思う。優勝したい」。2024年パリ五輪に向けては「最強になって金メダルを取り、また(母校に)帰ってくる」と力を込めた。【倉橋徹也】

○…坪井はこの日、浜松市役所で鈴木康友市長(64)を表敬訪問した。優勝報告とともに「たくさんの応援のおかげで日本人初となる金メダルを獲得できた」と感謝。市長から自身初となる市スポーツ特別賞を授与され、「現役の間は(この賞を)取りまくれるよう頑張りたい」と意気込んだ。その場で浜松工高ボクシング部の後輩と1分間のスパーリングを行い、世界王者のテクニックを披露した。相手を務めた部員の西尾紀人(のりと、1年)は「(技の)スピードが速く、いつパンチが来るか分からなかった」と感心していた。