チームに一筋の明かりを照らし、21年ラストゲームを連勝で締める。Vリーグ2部(V2)リガーレ仙台が明日5日、JAぎふとアウェーで対戦する。松蔭大(神奈川)から今季加入のルーキー宮田あかり(23)が、チーム初の「連勝」のため、攻守でけん引する。

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念願の瞬間が11月最後の試合で訪れた。今季からV2に参戦。開幕4連敗と好スタートは切れなかったが、佐藤あり紗選手兼監督(32)は「みんな落ち込んだが、でも頑張るぞという気持ちの高ぶりの方が大きかった」と気持ちは切らさなかった。連敗脱出に向け、得点方法や球際の強さなどを修正。対戦相手の分析と対策を徹底して挑んだ千葉エンゼルクロス戦でストレート勝ち。記念すべきVリーグ初勝利を収めた。

チーム史に残る一戦で宮田が輝いた。高さのあるスパイクとブロックで両軍最多の20得点。勝利の瞬間は「ひたすらうれしかった」と笑みを浮かべた。ここまでアタック決定率45・2%はリーグ1位に0・01%差の2位。「プレーで考えすぎると、ボールを長く見て思い切ったプレーができないと感じていたので、それを取り払って挑めている」と好調の要因を説明。アタック決定率2位について「少し自信になるが、プレッシャーもある」と語った。

コートで戦う佐藤監督も宮田の成長を認める。「加入時から食事やトレーニングに関して人一倍、努力してきた。コートに立ちたいという気持ちも普段の練習からすごく伝わってくる」。続けてプレー面でも「最後に点を決めてほしいときにボールが集まるのは、普段の練習からそういう姿勢が周りの選手に伝わっているからだと思う。それに対して(プレーで)応えているので頼もしい」と活躍に目を細めた。

5日のJAぎふ戦が年内最終戦。指揮官は「試合で勝つまでの過程となる1点、1セットの取り方を大事にしたい。勝って終わりたいが、いろいろなことを言う余裕はない。とにかく頑張りたい」と気合を入れた。Vリーグ初勝利を弾みに連勝につなげる。【相沢孔志】