帝京長岡の悲願は達成できなかった。福岡大大濠に56-59の僅差で敗退。高校日本一は来年以降に持ち越しとなった。

1ゴールを争う接戦を続けたが、インターハイに続き夏冬連続の準優勝に終わった。激しいディフェンスの応酬でロースコアの展開。Cコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード(2年)が19得点、20リバウンド、9ブロックショットでトリプルダブルに迫る奮闘も実らなかった。

【スコア】ウインターカップ2021>

相手シュートのさらに上からコネの手が伸びる。豪快なブロックショットでボールをたたき落とし、相手の得点機会を9度奪った。インサイドで仁王立ちし19得点、20リバウンド。205センチの高さから相手は逃げるように浮き球のシュートを連発した。精度を欠くシュートで加点を鈍らせるのに成功したが、最後は3点届かなかった。コネは「ファウルを取られるかと、ちょっと危なかった」と会場を沸かせたブロックショットを振り返る。大会の3冠王(得点平均30・6点、リバウンド平均24・6本、ブロックショット平均5本)は孤軍奮闘した。

56-59となった残り6秒、同点を狙ったコネの3点シュートが外れた。頂点には届かなかったが柴田勲監督(52)は「頼もしいプレーをしてくれた。勇気あるプレーをしてくれた」と粘った選手たちをたたえた。福岡大大濠とはウインターカップ初顔合わせも因縁がある。17年インターハイ準決勝。4度の延長にもつれ込む死闘を演じ、87-89で敗れ、優勝をさらわれていた。指揮官は「勉強し直して、戻ってこられるよう頑張りたい」と2度目の惜敗に言葉に力を込めた。

福岡大大濠はU19日本代表が2人を擁すが、帝京長岡には代表どころか、中学時代に全中の経験選手も2人しかいない。そんな原石たちが高校で磨かれ、全国大会決勝のコートで光を放った。留学生除けば先発平均180センチに満たない。「小さい子たちでも頑張れる。心のつながりがあった」と柴田監督。2年生のコネは「全員でたくさん練習して日本一。頑張りたい」。視線はすでに22年の冬を見つめていた。【涌井幹雄】

◆男子ベスト5 川島悠翔、岩下准平、湧川颯斗(以上福岡大大濠)島倉欧佑、コネ・ボウゴウジイ・ディット・ハメード(以上帝京長岡)