2月4日の北京オリンピック(五輪)開幕まで1カ月を切った。開会式前日の3日には、アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が日本勢の先陣を切ってスウェーデンとの初戦に臨む。3大会連続出場の最年長FW久保英恵(39=西武)は大会後の現役引退を示唆しており、「サンキュー北京」をテーマに集大成の舞台に立つ。

    ◇    ◇    ◇  

久保は現在、苫小牧市内で代表合宿中で、本番に向けて準備を整えている。3度目の五輪へ「今回は最後となると思う。アイスホッケー人生の集大成」と固い決意を持って、集中している。

開催国枠で日本が初出場した98年長野五輪は、15歳で代表候補入りもメンバーには入れなかった。以降02年ソルトレークシティー、06年トリノ、10年バンクーバーと予選突破ができず、五輪のリンクは久保にとってあと1歩で届かない、遠い存在だった。10年に引退を決意。だが再びリンクに立つ覚悟を決め、日本の4大会ぶりとなる14年ソチ五輪出場に貢献した。

やっと立てた五輪の舞台では5戦全敗。「1度引退して復帰したことによって、初心を忘れず、五輪を重ねるごとにもっとできるという気持ちを忘れなかった」。前回の18年平昌五輪では2勝を挙げた。

迎える北京五輪。平昌後から1年1年「今年が最後」の気持ちで続けてきたが、体力的な限界を感じ始めている。だから「『サンキュー北京』を合言葉に今まで関わってきた方へのありがとうの意味を込めて戦う」と覚悟を決める。女子日本代表をけん引してきたエースは、最高の結果で有終の美をスマイルで飾る。

◆久保英恵(くぼ・はなえ)1982年(昭57)12月10日、苫小牧市生まれ。苫小牧工高-北海道浅井学園短大。13歳だった96年パシフィック女子選手権で日本代表初選出。岩倉ペリグリン(現道路建設ペリグリン)、05年はオークビルアイス(カナダ)、西武でプレー。13年太陽生命入社。168センチ、64キロ。右利き。

◆冬季五輪の連続出場 北海道関係の北京五輪代表候補では14年ソチ五輪スノーボード女子パラレル大回転銀メダリストの竹内智香(38=広島ガス、旭川市出身)が、日本女子の冬季五輪最多6大会連続出場が見込まれる。5大会連続出場を確実にしているノルディックスキー距離女子の石田正子(JR北海道)は日本女子冬季五輪史上最年長41歳で臨む。ソチ五輪ジャンプ男子団体銅メダルの伊東大貴(36=雪印メグミルク)も5大会連続出場になりそうだ。