17日に開幕するテニスの4大大会、全豪オープン(メルボルン)に向け、オーストラリア入国問題に揺れる男子世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が12日、自身の疑惑に対して「誤報で、訂正される必要がある」と、声明を出した。

疑惑とは、昨年12月16日にPCR検査で新型コロナウイルス陽性となったにもかかわらず、ノーマスクでイベントに出席したこと。また、オーストラリア入国に際し、入国書類の「過去14日間で、どこかに旅行をしたか」という問いに、「いいえ」と答えているにもかかわらず、12月31日にスペインで練習している動画がSNSに上げられていることなど。

<ジョコと全豪経緯>

◆出場発表 全豪オープン(17~30日、メルボルン)の主催者は1月4日、4連覇と4大大会歴代単独最多となる21勝目が懸かるジョコビッチの出場を発表。全豪は、出場全選手にワクチン接種を義務づけたが、医学的見地から、接種免除を許可する可能性も明かしており、ジョコビッチが免除許可を承認された。

◆入国拒否 メルボルンの空港に、1月5日深夜に到着したが、入国を拒否された。入国に必要な証拠を提示できなかったとして、入国ビザは取り消しに。同国のモリソン首相も決定を支持。

◆異議申し立て ジョコビッチの弁護団は6日、国外への強制送還を阻止するため裁判所に異議を申し立てた。本人は空港で足止めをくらっていたが6日午前、メルボルンの隔離ホテルに移送された。

◆入国認められる オーストラリアの裁判所は10日、ジョコビッチの入国を認める判断を示し、政府に対して選手を収容先から即時に解放するよう命じた。入国を拒否し、ビザを取り消した連邦政府の決定は「合理性がない」とした。現地メディアは「ジョコビッチの勝利」と伝えた。