トンガ出身で日本代表3キャップを持つトヨタヴェルブリッツNO8フェツアニ・ラウタイミ(29)が、難しい状況下で懸命なプレーを見せた。

マイボールだった前半のキックオフでトヨタが攻撃権を獲得すると、1分足らずで3度もボールを持って前進。185センチ、116キロの体を生かし、後半12分まで仲間を引っ張った。

前日15日には母国のトンガ沖で海底火山の大規模噴火が起き、試合後時点でも家族とは連絡が取れていないという。

「昨日、昼すぎぐらいに家族と連絡して、途中で切れて…。昨日から今日の朝まで、心配していて寝られなかった。『家族は大丈夫かな』と思う。今でもまだ、どうなっているか分からない。すごく心配に思っています」

この日の入場時にはファンがトンガ国旗を胸元に掲げ、小旗を振る観客もいた。トンガから摂南大へと入学し、トヨタで活躍するフェツアニは「今日の試合でファンの皆さんがトンガのフラッグでサポートしてくれて、うれしかったです」と感謝の思いを込めた。【松本航】