リーグ1位の東京SG(旧サントリー)が初代王座へ王手をかけた。同4位のBL東京(旧東芝)に30-24で競り勝ち、29日に東京・国立競技場で行われる決勝進出。1点を追う後半19分に19年ワールドカップ日本代表CTB中村亮土主将(30)が逆転トライを挙げ、今月1日に3-27で敗れたライバルに雪辱した。22日にはリーグ2位埼玉(旧パナソニック)と同3位東京ベイ(旧クボタ)の準決勝(東京・秩父宮ラグビー場)が行われ、勝者が決勝へと進む。

東京SGのプライドだった。1点を追う後半15分、中盤右サイドでのスクラム。5分前に投入されたFW第1列の森川、堀越、タラカイを中心に、じわりじわりと前へ押した。相手自慢のFWから反則を誘い、敵陣深くへ進入した。連続攻撃を経て、ラック際を突いたCTB中村が逆転トライを決めた。「誰が出てもサントリーのラグビーを体現できる」。主将が胸を張った。

3週前、同じ東京・府中市を本拠とするBL東京に3-27で敗れた。ノートライ。リーグ首位通過と安定感が光るものの、チームを見つめ直すきっかけになった。この日、日本代表候補のSH流は「僕が言うのもあれですけれど…」と苦笑いした上で「前回はFWで負けた。やってくれると信じていた」と誇らしげだった。

昨季、前身のトップリーグ決勝でパナソニック(現埼玉)に26-31で敗れた。流は「決勝のためにやってきた。やっと、そのチケットを手に入れた」。戦いは終わらない。【松本航】