21年東京オリンピック(五輪)個人総合金メダルで、10月開幕の世界選手権(英リバプール)代表を決めている橋本大輝(20=順大)が、平行棒で落下。ヒヤッとさせる場面があった。倒立のところで、「右の小指が痛いので、握る力の入れ方を変えた。そしたら、腕の張りが尋常じゃなくて」落下した。

倒立で体を支える両肘が折れ曲がり、そのまま肩から棒の上に落ち、その反動で、器具から落ちた。会場全体がどよめく状況だったが、橋本はすぐにやり直し、大きなけがにはつながらなかったようで着地まで通した。

前日にも、右手の小指の痛みを訴えていた。「突き指くせがあり、冬になると痛んでいた」。それが、16日の練習で、バック転をした時に、再び痛めた可能性があるという。そのため、すでに決勝から演技できる権利を持つ鉄棒は回避した。

それでも、跳馬で、約1年ぶりに大技ヨネクラ(伸身カサマツ5/2ひねり)を跳び「今日は良かった」。ただ、着地で大きくラインオーバーし「めちゃくちゃ悔しかった」と苦笑いだ。19日の決勝では、床運動、あん馬、鉄棒の3種目に出場予定だ。【吉松忠弘】