東京オリンピック(五輪)パラリンピック組織委員会が30日、解散する。

14年1月24日の発足から約8年半。新型コロナウイルス感染拡大を受け、史上初めて1年延期された大会を全うし、役目を終える。

午前11時15分から橋本聖子会長(57)と武藤敏郎事務総長(78)が最後のあいさつ。橋本会長は「開催を信じて努力いただいた皆さんに、心から感謝いたします。困難な状況ばかり思い出されることかと思いますが、意義と価値を後世にどのように残していくかが大事。良かったな、ありがとうございました! という気持ちと、寂しい気持ちと非常に複雑ですが、世界の皆さんから『やはり日本だからやれたんだ』という評価をいただけたことは、職員の皆さんの努力のたまもの。何年か後、振り返った時に『やって良かった』『一員だったことを誇りに思えた』と言ってもらえるように、私は今後も大会の意義と価値、レガシーを育てて、皆さまに宝物としてお返しできるように頑張っていきたい」と頭を下げた。

武藤事務総長は「44人で始まってから8年半。長い旅路でした」。ピーク時の開催期は約7000人まで増えた職員が最終日は160人となり「感慨深い。既に離れられた6900人に対しても、ねぎらい、心からありがとうございましたの言葉を申し上げたい」と感謝した。

史上初の延期で「失敗もあり、批判も受けて正直、心が折れそうな局面もあったが、1人1人が義務を果たしていただいた。無観客など思い描いた大会にはならなかったが、東京モデルという簡素化を提示した。あとは歴史の評価を待ちたい。(英海軍ネルソン提督の名言を引き合いに出し)『ウィー・ハブ・ダン・アワ・デューティー(我々は責務を果たした)』の言葉を皆さんと共有したい」と重ねて感謝した。

解散後は清算法人に移行し、未払いの可能性がある債権者らの対応に当たる。清算人は武藤事務総長ら4人が選任されており、清算期間は約1年と見込まれている。【木下淳】