さまざまな言動で、“悪童”の異名を取る世界40位のニック・キリオス(27=オーストラリア)が、金星で6年ぶりの16強入りを果たした。21年全仏準優勝で、同5位のステファノス・チチパス(ギリシャ)に6-7、6-4、6-3、7-6の4セットで勝ち、4度目の4回戦に進んだ。

この日も、キリオスのペースがさく裂だった。第1セット後半に、線審の判定に不満を持ったキリオスは、観衆や主審に不満を募らせ文句を言い放った。主審から警告も受けたが、第3セットでは、下から放つアンダー・サーブを見せるなど、お構いなしだった。

最後は、相手のチチパスが集中力を欠いた。マッチポイントでは、多彩なテクニックを見せるキリオスがフォアのドロップショットを決めて試合終了。「とんでもない試合だった。最高の雰囲気だった」と喜んだ。

良くも悪くも、キリオスのエンターテインメントに、観客は大興奮。「相手はイライラしてたみたいだけど、彼のことは尊敬している。コート上で何が起ころうと、それはコート上でのこと」と、最後までキリオス節は健在だった。

今大会は、主催者であるオールイングランド・テニスクラブが、ウクライナに侵攻したロシアと、それを支援したベラルーシの選手の出場を認めず。その決定に抗議し、男女のツアーを運営するプロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が、世界ランキングのポイントを大会に付与していない。

◆ウィンブルドンテニスは、6月27日から7月10日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドで最大10コートがライブ配信される。