4大大会4度の優勝を誇る世界48位の大坂なおみ(24=フリー)が、試合開始わずか7分で、思わぬ勝利となった。同55位のダリア・サビル(28=オーストラリア)と対戦し、開始早々、第1セットの第2ゲームで、相手が左ひざの負傷で途中棄権した。

屋根が閉まり、室内となった有明コロシアムにサビルの絶叫が響いた。「オー、マイ・ゴッド! オー・マイ・ニー(どうしよう、私のひざ)」。そのまま、左ひざを抱え、コート上に倒れ込んだ。すぐに異変を察知した大坂は「あれだけの痛みを見せるのは、本当に大変なこと。すごく怖かった」。ベンチに戻りタオルをつかむと、サビルのいるコートに一目散。タオルを、そっとひざに掛けた。

悲劇が起きたのは大坂がサービスゲームをキープした後の第2ゲーム。30オールの時にサビルが打ったフォアの逆クロスは入ったが、その瞬間、左ひざに異変が起きた。大坂の勝利は、8月上旬の米サンノゼの大会1回戦で、鄭欣文(中国)に勝って以来。続くトロントの大会から今大会直前の全米まで3大会連続1回戦負けが続いていた。ただ「勝ったという気持ちにはなっていない」と、相手を気遣った。