南北海道で立命館慶祥が41-21で函館ラサールを下し、11年ぶり3度目の決勝進出を果たした。高校日本代表候補CTB三浦遼太郎(3年)を中心とした多彩な攻撃で過去3度花園出場の難敵を退け、初の全国大会出場へ王手をかけた。24日の決勝カードは、南大会が札幌山の手対立命館慶祥、北大会が旭川龍谷対北見北斗に決まった。

前半7分に勝ち越しのトライを許しても、立命館慶祥はあわてなかった。4分後にWTB永井博登が左隅に飛び込んで2点差に迫ると、前半21分には、ラインアウトから右に展開。FB本田偉士(ともに3年)が右中間に決め、逆転した。「自分たちのやることが明確になっていたので、そこを信じてやれば必ず勝てると思っていました」。6月の高校日本代表候補合宿メンバーに選出されながら体調不良で辞退したCTB三浦が、事もなげに試合を振り返った。

7月の北海道高校ラグビー選抜大会で、昨年花園ベスト8の強豪、常翔学園(大阪)と対戦。12-55と大敗した中から、2つの基本戦術を学び取った。ボールを持つ相手選手を2人で追って、捕まえたら押し返し、倒してひっくり返す“ダブルタックル”。そして相手のタックル、パスカットが届かない位置でボールを回す“ラインの深さ”だった。三浦が深く下げたボールを、50メートル5秒9の快足WTB工藤開(3年)がトップスピードで受け取り、トライするパターンが、この日は2度成功し、勝利につなげた。

初の花園をかけた決勝は、過去2度の決勝と同じ札幌山の手が相手だ。昨年秋の新人大会、今夏のセブンスと、今季の対戦成績は6戦2勝。決して届かない相手ではない。「札幌山の手対策のスペシャル戦術も用意しています」と三浦。主将のSO久保田慧(3年)は「バックスで勝って、花園に行きます」と、強い口調で宣言した。