日本(世界ランク7位)が、世界選手権では1982年ペルー大会以来、40年ぶりにブラジルから金星を挙げた。初黒星を喫した28日中国戦で右足首を捻挫した主将の古賀紗理那(26)が今大会初めてベンチ入りメンバーから外れたが、開始すぐに石川真佑(22)がサービスエース。井上愛里沙(27)、林琴奈(22)や山田二千華(22)が得点を重ねた。エース不在の穴を、結束力で埋めた勝利だった。3勝1敗の日本は2次ラウンド進出を決めた。



日 本25-22
25-19
17-25
25-20
ブラジル


真鍋政義監督

本当に選手たちが集中してやってくれた。(第4セット、7点差をつけられてから)連続得点できたのが大きかった。石川も今日、久しぶりに良かった。特に1本目のサーブから流れが変わった。

まずは(1次ラウンド最終戦の)アルゼンチン戦に集中する。(ブラジルから40年ぶり勝利)本当にディフェンスが良かった。みんなの勝利。古賀キャプテンがいないのを、見えない力が働いた。ブラジルと勝負するには先攻逃げ切りしかないと思っていた。特に(第1セットの)石川の1本目のサーブ、あれで波に乗れた。


第4セット

流れを取り戻したい日本だが、ブラジルの勢いが止まらない。開始早々の3連続失点で0-3とされる。

ブラジルのチャレンジ成功で0-4。真鍋監督がタイムアウトを選択し、選手へ「守ったら絶対にやられる。ダメだぞ」とゲキを飛ばす。

東京五輪を経験した山田が決めて1-4。日本のタッチネットで1-6となる。

苦しい展開。井上が意地のアタックを決める。2-6。

ブラジルの勢いが止まらない。2-8。日本のスパイクはブロックに阻まれる。2-9。

ブラジルは41歳カロリネの得点で3-10とする。

苦しい時に決めるのは井上だ。4-10。

食らいつく日本にビッグプレーが飛び出す。井上が体を投げ出してレシーブし、つないだボールを、石川が2枚ブロックをかわして決めた。7-11。

山田のブロードで8-12。林が決める。連続ポイントで9-12。

林のフェイントで10-13。ブラジルのスパイクアウトで11-13と追い上げる。

石川のサーブで崩しにかかる日本だが、タッチネットで11-14。

井上が決めて12-14。粘る。

山田のサーブ。島村が押し込み、ブレイクでついに1点差。13-14。

林のスパイクでついに同点だ。14-14。日本が結束力で、ブラジルの流れをついに止めた!

井上が決めて4連続ポイントで、6点差をついに勝ち越し。15-14、16-14とする。苦しい時間を耐え、流れを取り戻した日本。

慌てるのはブラジル。ここでタイムアウト。

ブラジルのオーバーネット。日本の6連続ポイントだ。17-14。

このセットを奪えば、世界選手権では1982年以来、40年ぶりにブラジルから勝利を挙げることになる。

ただ、そう簡単には勝たせてくれない。18-17とされる。日本は井上が決めて19-17。

日本のスパイクアウトで19-19。互いに譲らない。

井上が2枚ブロックをかわし先に日本が20点目。この試合、井上は26点目だ。

石川が視野の広さを生かして、オーバーで相手コートの奥に落とす。21-19。

再び石川だ!22-19。

ベンチから見守る古賀が、ガッツポーズをする。みんなの心が1つになった。

井上のサービスエースが飛び出す。23-19。

世界選手権では40年ぶりのブラジル撃破へ。あと1歩。

ガビのスパイクがアウト。日本がマッチポイントを迎える。24-19。

最後は石川だ。25-20。

ついにブラジルを破った。エース不在で大金星。一丸の勝利で2次ラウンド進出を決めた!


第3セット

石川のサーブから。ブラジル・ロレーナのポイント。0-2から林が決めて1-2。ブラジルのサーブアウトで3-4と食らいつく。

井上のバックアタックが決まって4-5。連続失点で4-7とされると、真鍋監督がタイムアウトを選択した。

石川が2枚ブロックの間を通して5-7とする。

このセット、序盤はブラジルがリードする展開になった。ただ、石川の狙いを定めたアタックが決まる。6-8。

ここからブラジルが連続ポイントで先に10点目。6-10。

井上が決めて7-10。ラリーガ続く。手に汗握る展開。最後に決めたのは、また井上だ。8-11。

再び井上が得点する。

難しいトスを、石川が2枚ブロックの右を通して決めた!10-14。

井上が技ありで落として11-14。ここからブラジルが連続得点で11-16。

林のスパイクがアウトで11-17。この試合、初めて6点差をつけられた。

たまらず真鍋監督がタイムアウトを選択する。

石川がライトからストレートに決めて12-17。

日本のブロックタッチをとられ12-18。

先に20点目に達したのはブラジル。12-20となる。

林のポイントで13-20。

41歳カロリネの得点で13-21とされる。

流れを変えたい日本。

ブラジルのサーブがラッキーにもネットインで23点目。

意地を見せたい日本は、山田のブロードで15-23。

石川が思い切り打ったスパイクが決まる。16-23。

ここでブラジルがタイムアウト。

また石川が決めた。この試合、石川の12点目で17-23と追い上げる。

先にセットポイントを迎えたのはブラジル。

第3セットは17-25でブラジル。日本はセットカウント2-1となった。


第2セット

流れに乗る日本は、このセットも先に得点する。

サーブレシーブが乱れ1-2とされる。

ラッキーなポイントで2-2。ブラジルは41歳カロリネの得点で再び勝ち越し。

林のスパイクで3-3となると、ブラジルの監督が頭を抱えるしぐさを見せた。

日本はブロックアウトで4-3とリード。3枚ブロックで山田が仕留めて5-3。

サービスエースが出て6-3。ここでブラジルがたまらずタイムアウトを選択する。

石川が相手のブロックの間を通して8-5となった。

ここからブラジルがジワリと追い上げてくる。

9-8と1点差に迫られると、バックセンターから林が決めて10-9。再び林が決めて11点目だ。

林琴奈(2022年8月20日撮影)
林琴奈(2022年8月20日撮影)

14―11からブラジルにブロードを決められる。

山田のブロックアウトで15―11。日本はブラジルのエース・ガビを徹底マークする。ガビが日本のブロックを嫌がり、スパイクがネットに刺さる。16―12。

日本が17―12とした場面で、ブラジルがタイムアウト。

ブラジルが3連続でスパイクミスで18―12となる。

日本の選手たちの連係が光る。古賀不在の穴を、全員でカバーした。

ブラジルは18―13となった時点でセッターをロベルタに交代する。

慌てるブラジル。追い込む日本。

エース・ガビに重圧をかけ続け、ブラジルがミスを連発する。ブラジルのミスで日本が先に20点目。

ブラジルのスパイクアウトで21―13。

流れは日本だ!

石川が決めて22―14。

石川のジャンプサーブは惜しくも、ラインを超えた。

林が決める。23―15。

ブラジルは3連続ポイントで追い上げてくる。

23―18で日本がタイムアウト。

ガビのスパイクアウト。ここでブラジルがチャレンジ。ブロックタッチはなし。24―18。日本がセットポイントを迎える。

最後に決めたのは井上だ。25―19。

日本が第2セットも奪った。


第1セット

負傷した古賀の代わりに先発した石川のサーブから始まった。

真剣な表情で狙いを定める。緊迫感のある試合。石川はいきなり、サービスエースをたたきこんだ。

井上、横田が続いて3-0とする。

ブラジルはサウスポーのキージが初得点。

ライトの林が決めて5-2。ただ、やはりブラジルが追い上げてくる。世界最高選手の1人、エースのガビの得点で5-4。山田が決めて6-4、7-6とするも、再びガビに決められて7-7の同点とされる。

その後、ラリーからブラジルに得点され、ついに勝ち越しを許す。アウトオブポジションをとられて7-9。

先に10点目を挙げたのはブラジル。粘る日本は林の得点で9-10、石川の強烈なバックアタックで10-11と食らいついた。

石川真佑(2021年8月2日撮影)
石川真佑(2021年8月2日撮影)

日本はジワリと点差をつけられる。10-14とされた時点でタイムアウト。

林が決めて11-14。

さらに林のサービスエースで12-14とする。

井上が2枚ブロックの上を決めて1点差。

石川の技ありの得点で14-16、ガビを止めるブロックで15-16。

石川が止まらない!

スパイクが決まって16-17。ブラジルのスパイクがアウトでついに17-17の同点。18-18から、石川のジャンプサーブが再びサービスエースで勝ち越し。

たまらず、ブラジルがタイムアウトを選択する。

井上の得点で日本が先に20点目に達した。20-18。

21点目、22点目も井上だ!

波に乗る日本! 

身長178センチの井上が、ブロックでブラジルを止めて23-20。

慌てるブラジル。2度目のタイムアウトだ。

ブラジルにアタックを決められると、宮部藍が悔しそうにボールをたたきつける。必死の日本。

ブラジルのサーブアウトで24-21。日本がセットポイントを迎えた。

24-22から、最後に決めたのは山田だ。

25-22。

主将の古賀を欠く日本が、執念で世界ランク2位のブラジルから第1セットを先取した。

山田二千華
山田二千華



試合前

日本は28日中国戦で右足首を負傷したエースの古賀がベンチからも外れた。試合前、ジャージー姿で仲間を見守る姿があった。

古賀は昨夏の東京五輪でも同じ右足首を負傷している。

日本は勝てば2次ラウンド進出が決まる大一番。主将不在で総合力が試される一戦となった。

スタメン

<セッター>

関菜々巳(23=東レ)

<アウトサイドヒッター>

石川真佑(22=東レ)

井上愛里沙(27=久光)

林琴奈(22=JT)

<ミドルブロッカー>

山田二千華(22=NEC)

横田真未(24=デンソー)

<リベロ>

福留慧美(24=デンソー)


日本の1次ラウンド日程(全て日本時間午後9時15分開始)

☆10月2日(日) 日本×アルゼンチン(22位)

※日本の世界ランクは7位、相手国下の( )内は世界ランク。



◆女子世界選手権・日本代表登録メンバー(背番号、ポジション、選手名、年齢)

2 アウトサイドヒッター 内瀬戸真実(30=埼玉上尾)

3 アウトサイドヒッター 古賀紗理那(26=NEC)

4 アウトサイドヒッター 石川真佑(22=東レ)

5 ミドルブロッカー 島村春世(30=NEC)

10 アウトサイドヒッター 井上愛里沙(27=久光)

12 セッター 籾井あき(21=JT)

15 アウトサイドヒッター 林琴奈(22=JT)

19 ミドルブロッカー 山田二千華(22=NEC)

22 リベロ 福留慧美(24=デンソー)

23 ミドルブロッカー 横田真未(24=デンソー)

26 アウトサイドヒッター 宮部藍梨(24=ヴィクトリーナ姫路)

30 セッター 関菜々巳(23=東レ)

37 アウトサイドヒッター 宮部愛芽世(20=東海大3年)

38 アウトサイドヒッター 佐藤淑乃(20=筑波大3年)


【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式
【イラスト】バレー女子世界選手権の対戦方式

◆女子世界選手権

オランダとポーランドの共催で24カ国が参加。1次ラウンド(R)は6カ国づつ4組に分かれて総当たりで戦い、各組上位4カ国の計16カ国が突破。2次Rは8カ国が2組に分かれ、1次Rで対戦していない4カ国とのみ対戦し、上位4カ国が8強へ。3次Rからトーナメント制となり、2次Rで同組の1位と4位、2位と3位が準々決勝を戦い、勝者が準決勝へ。テクニカルタイムアウトなし、リクエストできるタイムアウトは1セット2回まで。

決勝は10月15日、オランダ・アペルドールン。