札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪の開催地選定を巡り、国際オリンピック委員会(IOC)が年内の候補地一本化を見送る方向で調整していることが4日、複数の関係者への取材で分かった。当初は12月の理事会で絞り込み、開催地を事実上決める予定だったが、年明け以降に持ち越される公算が大きくなった。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件の影響も考慮した可能性がある。

開催地を正式に決定するIOC総会(ムンバイ=インド)は、インドの国内事情を理由に来年5~6月から同9~10月に延期することが決まっており、関係者は「今、急いで決める必要はない」と語った。今年9月末に安倍晋三元首相の国葬で来日したIOCのバッハ会長が、日本側の関係者に非公式で伝えたもようだ。

開催実績のあるバンクーバー(カナダ)ソルトレークシティー(米国)も名乗りを上げる30年冬季五輪招致は、札幌市が優位とみられている。しかし東京大会の汚職事件の影響を懸念する声は強く、札幌市や日本オリンピック委員会(JOC)は課題となっている住民の支持率向上へ難しいかじ取りを迫られている。

秋元克広市長は9月中旬にスイス・ローザンヌのIOC本部を訪問し、バッハ会長と面会する予定だったが、直前に中止した。バッハ会長も10月16日の関連行事に合わせた来日を取りやめるなど、表立った活動を避ける判断が続いている。