14年ソチ、18年平昌オリンピック(五輪)2連覇王者で、今年7月にプロ転向した羽生結弦さん(27)が夢を現実にした初の単独アイスショーの2曲目は「CHANGE」だった。

ジュニア時代のエキシビション曲。生の三味線の音色に合わせ、黒と赤の情熱的な衣装で登場する。いきなりハイドロブレーディングで沸かせ、3回転サルコーを決めたところで一気に曲がアップテンポに転調する。

氷上でタップダンスのような激しいステップを披露すると、3回転半や、珍しいビールマンスピンも。縦横無尽に舞い切ると、フィニッシュを決めて万雷の拍手を浴び、マイクを握って「プロローグ初日に来てくださり、ありがとうございます」と感謝した。

1曲目の「SEMEI」から、全国大会で初優勝した全日本ノービス選手権Bの映像を挟んだ。9歳にしてダブルアクセル(2回転半)を跳んだ当時のビデオで「(06年トリノ五輪女子金の)荒川静香さんと同じ仙台出身なので、次は自分が日本男子初の五輪金メダルを取りたい」と話していた12歳。そして14歳でのジュニアグランプリ(GP)ファイナル初制覇まで。この間の映像は10分もない。本人いわく「5分」の間で衣装を着替えて登場し「CHANGE」を躍ってみせた。【木下淳】