バスケットボール男子Bリーグは8日、先月22日の公式戦でB1川崎ブレイブサンダースのニック・ファジーカス(37)が犯した悪質プレーの判定について説明した。

日本代表経験を持つファジーカスは、シーホース三河戦(川崎市とどろきアリーナ)の試合終了寸前、シュート体勢に入っていた相手選手を突き飛ばした。しかし試合終了後に起きたプレーと判断され、ファウルの笛は鳴らなかった。

日本バスケットボール協会審判グループの上田篤拓シニア・テクニカル・エキスパートは、当該行為発生のタイミングについて、試合を裁いた審判団は試合終了後に起きたと判断したことをまず説明。しかしその後検証したところ、「わずかながら試合時間内で、本来なら判定がなされるべき。アンスポーツマンライクファウルが適切だった」とした。

中継映像での残り時間表示では残り約0・8秒に発生したプレーのようにも見えるが、同映像に映る場内時計は0・3秒を示すなどしていた。リング支柱の上に表示された数字が実際のコートタイムとなる。上田氏は「非常に難しいケースだった」と強調しつつ、それでも「試合内に起きていると言わざるを得ない」。担当した審判員には口頭注意がなされた。

上田氏は「シーズンは長く続く。こういったケースを、あらためて今後の判定につなげていけるように審判全体で共有した」と話した。

当該行為についてB1川崎は、故意の悪質なファウルに相当すると判断。独自処分として試合当日、ファジーカスを公式戦と天皇杯1試合ずつの計2試合出場停止にすると発表した。

さらにその後、リーグは当該行為がアンスポーツマンライクファウルに相当するとし、ファジーカスに厳重注意処分を科していた。