テニスの全豪オープン車いすの部は24日、メルボルンでシングルス1回戦が行われ、男子の第3シードの小田凱人(東海理化)がケーシー・ラッツラフ(米国)を6-1、7-5で破り、準々決勝に進出した。三木拓也(トヨタ自動車)真田卓(凸版印刷)も1回戦を突破。荒井大輔(BNPパリバ)は敗退した。
女子は第2シードの上地結衣(三井住友銀行)が英国選手に6-0、6-0で圧勝。高室冴綺(スタートライン)との日本勢対決を制した大谷桃子(かんぽ生命)、田中愛美(長谷工コーポレーション)とともに8強入りした。船水梓緒里(三菱商事)は敗れた。
第一人者の後継者の自覚を胸に、16歳のホープが躍動した。車いすの部男子シングルスの小田が、国枝慎吾さんの引退後に迎えた最初の試合でストレート勝ち。「自信はあった。2セットで終わらせるという気持ちだった」と胸を張った。
第2セットは3-5と追い込まれた。それでも「数多く、今まで巻き返した」と動じない。最後の第12ゲームは0-40から持ち味の強打を発揮し、3ポイント連続のウイナー(決定打)で劣勢をはね返した。
昨年10月の楽天ジャパン・オープンでは国枝さんとフルセットを戦い、成長を印象づけた。一方、大舞台で国枝さんを倒すことでエース交代とはいかなかった。「その分、自分が頑張らないと。世代交代という責任感を感じている」と強調した。
自身初の四大大会制覇へ好発進した。同通算28勝の国枝さんを念頭に「欠点がどこを探してもない。勝ち続ける力はこれから自分により必要になってくると思うので、もっともっと見習いたい」と頂点への思いを強くしていた。
○…車いすの部女子シングルスの上地は1ゲームも落とさなかった。雨で試合開始が遅れ「時間も遅いので気を引き締めて、ぱっと終わらせようと集中力も上がった」と言い「プレーの質はすごく良かった」と納得の表情だった。
現役引退した国枝慎吾さんとは長く男女で競技をけん引した。「もっともっと一緒に優勝したいと思っていたので、さみしい気持ちが一番」と話した。