故郷で“キラリ”と輝いた。アランマーレ山形が、リガーレ仙台との「東北対決」を3-1で制し、2連勝。仙台市出身の伊藤摩耶(25)が、両軍2位の15得点、途中出場の有村涼美(23)が14得点を挙げ、アウェーでの逆転勝利を呼び込んだ。これでリガーレ仙台との対戦成績は昨季から3戦全勝。応援に駆けつけた関係者に成長した姿を見せ、勝負の後半戦に向けて勢いを加速させた。

Vリーグの先輩、アランマーレ山形が、経験値の高さと底力を見せた。第1セット(S)は粘り強い堅守の相手に苦しみ、2点差で落としたが、このままでは終わらなかった。以降は修正を加えたサーブからのトータルディフェンスが機能。北原勉監督(42)は「守った後に(相手の)穴をついた攻撃でだんだんこっちに流れが来た」。伊藤や有村、リーグ4位の得点数を誇るオケケアル・メソマチ(20)も本領発揮。3Sを連取し、一気に試合を決めた。

同じ東北に拠点を置く両チーム。伊藤にとっては故郷宮城での一戦で、コートでは特別な感覚があった。「アウェー戦ですけど、たくさんの応援の方が来てくださって、自分的にはホームゲームの気持ちで戦えた」。あらためて応援の後押しを実感し「応援してくれることに感謝の気持ちを忘れずに今後もやっていきたい」と力を込めた。

活躍の要因はほかにもあった。この日は力強い「援軍」が駆けつけてくれた。東北生活文化大高(宮城)で3年間指導を受けた池田信文監督(65)が後輩を引率して来場。教え子の雄姿を目にした池田監督は「先輩が頑張っているので、後輩も練習を頑張ってくれると思います。ぜひV1に行けるように、頑張ってほしいと思います」と笑顔でエールを送った。

今後は2月5日、群馬・前橋市でGSS東京と今季初対戦。同11、12日は酒田市で今季最後のホーム戦を控える。北原監督は「ホーム戦は皆さまの声援がとても力になる。その声援を力に変えて戦えるように全員で準備したい」。連勝を伸ばして酒田に戻り、さらに大きな応援を受けて勝利をつかむ。【相沢孔志】