リガーレ仙台が、ヴィアティン三重に3-1で競り勝ち、昨季から続いた富谷市開催の連敗を「3」で止め、23年ホーム初勝利を挙げた。今季限りでの現役引退と退団を発表した佐藤あり紗選手兼監督(33)の後輩である東北福祉大出身の柳下夏苗(27)が両軍最多20得点、古川学園出身の小沢史苑(25)が10得点とチームをけん引し、勝利の喜びを分かち合った。

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気持ちを前面に出し、粘り負けしなかった。セット(S)カウントを1-1のタイに戻された第3S序盤。小沢は「サーブミスをなくしつつ、攻めていかないと相手のやりやすい展開になる」と強気のサーブから4連続得点。終盤も5連続得点で同Sを奪取し、勝利をぐっと引き寄せた。第4Sは、第1戦ストレート負けの雪辱に燃える相手に一時6点をリードされたが、22-23から3連続得点を挙げ接戦に終止符を打った。

ようやく手にした「富谷1勝」だ。V2初参戦の昨季は4試合が予定されていたが、21年11月は2戦2敗。22年2月の2戦は新型コロナで中止となり、前日28日はアランマーレ山形に敗れた。佐藤選手兼監督は「チームができてから最初に体育館を使わせていただいたり、いろんな面でサポートしていただいたのが富谷市。勝利できたことで少しでも恩返しができていれば」と感謝した。

尊敬する先輩、佐藤選手兼監督の決断に後輩の気持ちにも変化があった。山梨中央銀行から今季加入した柳下は、一緒にプレーできるうれしさや緊張があったが「あり紗さんの決断を聞いて緊張や遠慮をしている時間がもったいないと思った。それからは迷いがないプレーを表現できるようになった」と、この日は22日ブレス浜松戦に並ぶ自己最多20得点をマークした。

昨季から主将を務める小沢は「一緒にできる時間をしっかり戦いたい。気持ちはいつも頑張ろうと思っているので、大きくは変わらなかったけど、『みんなでひとつになって戦うぞ!』というのは出せた」。残りはホーム2試合を含む7試合。上位3チームが臨めるファイナルステージ出場へ、佐藤選手兼監督と戦える喜びを持ちながら、チーム一丸で戦い抜く。【相沢孔志】