開志国際が5大会連続の男女アベック優勝を決めた。昨年末のウインターカップで初優勝した男子は帝京長岡に80-62で快勝した。優勝チームのレギュラーSG平良宗龍(1年)が、要所で3点シュートを4本決めるなど22得点。B1琉球ゴールデンキングスの特別指定選手登録に見合う活躍を見せた。女子は新潟中央に72-65。前半までリードを許す展開も、接戦を制して8連覇を決めた。

右サイドから平良が迷いなく放った3点シュートがネットに吸い込まれた。9-10の第1クオーター(Q)6分。持ち前の長距離シュートで逆転すると、チームは一気に活気づいた。相手を無得点に抑えて、チームはスコアを重ねた。第1Qは29-10。「決めきらなければとずっと思っていた。流れをもってこれた」と殊勲者は言った。

この1年生は不思議な「何か」を持っている。昨年12月のウインターカップ決勝・福岡第一戦では、22-27の第2Qに4連続の3点シュートを決めてチームを乗せた。この日はたった1本でチームを勢いづけた。「ウインターカップを少しは思い出した」と平良は前半だけで4本の3点シュートを固め打ち。富樫英樹監督(60)は「アイツ、大事なところしか、来ねぇんだよ」と苦笑いした。

平良がベンチに戻ったのは試合残り1分55秒のシーン。1年生は後半、ガス欠を起こして加点のペースが鈍っていた。「足が動かなくなった」とディフェンスの強度も緩んだ。富樫監督は「負けることはできない。(他の選手を)試せなかった。もう少し、層を厚くしたい」とチームのテーマを話した。平良も「最後までプレーできる体力をつけたい」と課題を話した。

1年生ながら、Bリーグの強豪、B1琉球の特別指定選手に登録された“すご腕”。琉球合流は2月中旬になる予定だ。プロにまじっての武者修行は2月11、12日の北信越新人戦(長野)と、その後の期末テストを終えてから。「経験を(チームに)生かせたらいいな、と思う。試合にも出てみたい」と言う。今年の目標の全国高校総体とウインターカップ2冠獲得へ、平良は個人能力をさらに磨く。【涌井幹雄】