スケートボード・ストリートで24年パリ五輪の予選対象大会第2戦を兼ねる世界選手権の男子決勝が5日、アラブ首長国連邦(UAE)のシャルジャで行われ、12歳で初出場の小野寺吟雲(ぎんう)が263・04点で同種目史上最年少メダルとなる3位に入った。東京五輪代表の白井空良(そら、21=ムラサキスポーツ)は8位。オルリアン・ジロー(フランス)が269・33点で初優勝した。
45秒間に技を連発する「ラン」を2回、一発技の「ベストトリック」を5回滑って争った。
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準決勝トップで上位8人による決勝に進んだ12歳の小野寺は、順位を下げながらも目を輝かせた。「全決めできるように頑張るという気持ちで臨んだ。全部決めて3位になれてうれしかった。今後は宇宙に行ってスケボーができるように頑張りたい」。
鮮烈なデビューで注目を集める中、異次元のトリック(技)を次々と繰り出してきた。準決勝では、ただ一人2回とも85点以上と抜群の安定感を発揮した「ラン」で、板を縦に2回転させながら横にも回す「ダブルバリアル」など高難度の技に成功。「オリジナルのトリックを見せられて、90点が出てよかった」と時代に先駆けるスタイルで世界に衝撃を与えた。
名前は、禅語「龍吟雲起(りゅうぎんずればくもおこる)」から。7歳から本格的に競技をはじめ、8歳で国際大会に出場。昨年11月にはマイナビ日本選手権を史上最年少の12歳で制した。記録だけでなく、難しいトリックに挑戦する姿が海外で注目を集め、インスタグラムのフォロワーは16万人(4日時点)を超える。初の主要国際大会とは思えぬ強心臓ぶりで、予選から実力を発揮した。
◆小野寺吟雲(おのでら・ぎんう) 7歳ごろから本格的に滑り始める。昨年はアマチュア最高峰のタンパ・アマ(米国)で準優勝し、日本選手権は初出場で史上最年少優勝。146センチ。中学1年の12歳。横浜市出身。