98年の長野オリンピック(五輪)開幕から今日7日でちょうど25年。同五輪では競技種目でなかったジャンプ女子で、快挙が達成された。5日にドイツ・ビリンゲンで行われたW杯個人第17戦(ヒルサイズ=HS147メートル)で日本勢が初めて表彰台を独占。伊藤有希(28=土屋ホーム)が6季ぶりに勝ち、ホープの丸山希(24=北野建設)が2位、高梨沙羅(26=クラレ)が3位に入った。近年、女子はやや低迷していただけに、伊藤は「歴史的な1日。自分のためだけじゃない君が代を聴けてうれしかった」と笑った。

昨年の北京冬季五輪でメダルはなく、第一人者の高梨は混合団体でスーツの規定違反にも泣いた。今季も不振で、3季ぶりの国内開催だった1月のW杯5連戦で1度も3位以内に入れなかった。

選手たちは復調へ必死にもがいていた。高梨は課題とする着地のヒントをもらおうと男子トップ選手のハルボルエグネル・グラネル(ノルウェー)に質問をぶつけ、伊藤は助走の改善に努めた。チームは、新ルールへの対応が遅れていたスーツを前週の大会から新調。カッティングを工夫して腰付近に空気をためられるようにしたことで揚力が向上したという。強豪と道具面で差が縮まり、流れが一気に変わった。

個人戦初の表彰台となった丸山は「ずっと憧れていた先輩と一緒に表彰台に立てて、うれしい気持ちでいっぱい」と感慨深げ。高梨は「どんどんみんなで切磋琢磨(せっさたくま)して盛り上がっている」と好ムードを口にした。今月下旬に始まる世界選手権(スロベニア)を前に、チームが活気を取り戻した。