女子大回転では、地元開催の日大山形・吉田梓乃(しの、2年)が2本合計2分10秒44で準優勝に輝き、東北勢4人が入賞した。

大舞台を思う存分楽しんだ。滑り終えた吉田は、滑走を思い返して「今日が一番楽しかったです」と満面の笑みを浮かべた。なかでも一番楽しかったのは「1回目のスタート前」。「緊張して自分の滑りを出せないよりは、楽しんでスタートバーを切れれば一番いいかなと…」。持ち前の強心臓で好スタートを切った吉田は、1回目で1分4秒29をマーク。全体3位に位置付けた。

2回目は1分6秒15で全体2位。「2回目は抜かされてはいけないというのと抜かしたい気持ちが交ざってしまう。苦手だった」。いろんな大会で、2回目で抜かされることが多く苦手意識があったが、今大会で払拭(ふっしょく)。吉田は「今回の2回目は、楽しく、自分の滑りができました」と満足げに語った。1回目、2回目ともに自分の滑りを遺憾なく発揮し、総合2位。ゴール後に、同校の仲間たちに祝福された吉田は「みんなに見ててもらえて、喜んでくれてうれしかった」と笑みをはじけさせた。

楽しいが一番だ。吉田が種目を始めたのは小学2年生。中学1年の頃までは斜面を下ることに恐怖があったが、今では慣れっこ。「楽しく練習して滑ることが一番」と語り、今大会も1週間前の練習から、「楽しい」を継続中だ。吉田は明日10日の女子回転にも出場予定。大回転準Vをつかみ、さらに楽しくなった今大会を、最後まで楽しみ尽くす。【濱本神威】

○…入賞圏外から巻き返した。九里学園・遠藤なな(2年)は1回目を1分6秒ジャストで入り、全体14位。「会場の雰囲気にのまれました。1本目は特に。それで集中し切れていなかった部分もある」。1回目に納得はいかなかったが、おかげで冷静になれた。「焦りはありつつも冷静に。せめて入賞はしたいなと思い、結構集中はできていました」。2回目は1分6秒46で全体4位。総合7位まで順位を上げた。しかし遠藤は「悔しいです」と一言。悔しさをバネに精神面を強化する。