B1仙台89ERSが秋田ノーザンハピネッツに67-61と競り勝ち、今季の「東北ダービー」初勝利。バイウイーク(試合のない週)前のラストゲームで貴重な1勝をつかんだ。この日はジャスティン・バーレル(34)が、両軍最多25得点と爆発。加えて10リバウンドの“ダブルダブル”を達成し、チームを勝利に導いた。秋田は第3クオーター(Q)に猛追。第4Qでリードも奪ったが、仙台の堅守を破りきれず、連勝は「5」でストップした。

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これこそが仙台89ERSだ! 第1戦の後半、秋田を30点に抑えた堅守をこの日も発動し、前半を終えて35-28。第1戦で1度も奪えなかったリードを奪った。仙台は後半も攻守で粘り強く戦い、最後まで秋田に主導権を渡さなかった。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)も「ナイナーズらしい泥臭い試合に持っていけた。チーム全員で勝ったいいゲームだったと思います」と自負する「仙台89ERSのバスケット」で、秋田から勝利をもぎ取った。

頼れる主将の活躍が勝利の一因だ。バーレルは「自分がどれだけアグレッシブになれるかが今日のテーマだった。良い形でチームを引っ張ることができて良かった」と、第1Q開始から連続10得点を挙げるなどチームをけん引。さらに第4Q開始から残り10秒まで終始ワンポゼッションゲーム(シュートが1本入れば逆転あるいは同点になる試合状況)という熱戦の中、ダンクを決めてリードを奪い返すなど、チームにエナジーをもたらし続けた。25得点は自身の今季最多。アグレッシブなプレーに結果もついてきた。バーレルは「自分たちのクラブにとって非常に大きな勝利」と笑顔を見せた。

バイウイークは約3週間。コンディションを整えるとともに、渡辺翔太、ラショーン・トーマスらけがで離脱した選手の復帰もグッと近づく。バーレルは「しっかりと休んで、良いコンディションで戻ってくる。自分たちが今まで積み上げてきたいい習慣を、もっとチームのスタイルとして確立したい」と先を見据えた。この勝利を機に、態勢を整えた仙台が反転攻勢をかける。【濱本神威】

■秋田長谷川3Pに好感触

前日11日は仙台の攻撃を阻止した秋田だったが、この日は守備で仙台の後塵(こうじん)を拝した。チーム最多の14得点を挙げた長谷川暢(26)は「自分たちの点数が止まったときに、相手のディフェンスにアジャストするのが遅れてしまった」と振り返ったが、「3点シュート(3P)の調子が上がってきている」とシュートタッチには好感触。長谷川は「バイウイーク明けは上位のチームとも当たるので、しっかりコンディションを整えて次のゲームに向かっていく」と前を見据えた。