バスケットボール女子Wリーグの名門シャンソン化粧品は22日、元日本代表の藤岡麻菜美(29)や日本代表候補の野口さくら(21)など7選手が退団したと発表した。韓国出身の李玉慈監督(70)もチームを去り、今季終了まで鵜沢潤アソシエイトヘッドコーチ(41)が指揮を執る。

藤岡と野口以外の退団選手は、日本代表に招集された経験もある北村悠貴(28)、千葉歩(26)、大沼美琴(29)、宮坂桃菜(28)、栗林未和(24)の各選手。チームは公式サイトで「方向性の違いにより7選手は退団いたしました。また、李ヘッドコーチは、今回の選手退団という混乱を招いたことの責任をとって辞任いたしました」と説明した。

シャンソンは昨年12月からチームに同行しない選手が続出。多いときには10人の選手が同行メンバー外となり、年明けからは李慈監督もチームから離れていた。戦術などをめぐり、チーム内で意見対立が生じていた。

チームは「シーズン途中に有能な選手、ヘッドコーチを失うことは誠に残念であり、慰留に努めましたが、最終的には各人の意向を尊重することになりました。ご声援いただいておりますファンの皆様には大変申し訳なく、また、チームとしても誠に残念な限りですが、これまでの貢献に対して心より感謝申し上げます」とした。

Wリーグはこれを受けて声明を発表。「7選手につきましては、選手としての継続的な活動が出来るように、Wリーグとしてサポートしてまいります」と、今後の支援を約束した。

同リーグでは、シーズン中に選手が移籍することは想定されていない。シーズン途中の退団も異例のこと。今回、シャンソンを離れることになった7選手について「今シーズンに開催される残りのリーグ戦およびプレーオフに出場することはありません」とあらためて説明した。

今季ここまでの個人記録などについては、Wリーグ公式サイト内のシャンソン化粧品の「ロスター」内にて「今シーズン終了時まで掲載されます」とした。

シャンソン化粧品は25日、神奈川県平塚市で富士通と対戦。チームにとってリーグ戦の再開初戦を迎える。

リーグ優勝16度の名門シャンソンは、17季ぶり頂点を目指す今季はここまで10勝8敗の7位。上位8チームが進出可能なプレーオフ圏内につける。

所属選手らの大量欠場について日刊スポーツが報じたことを受け、Wリーグは10日、チームがこの件に関する報道発表を25日までに行うと公表していた。

◆Wリーグの登録選手 同リーグ規程の第31条(参加義務等)によれば、チームが公式試合に出場するには、10人以上16人以下の登録選手を保有しなければならない。ただし、保有選手の制限人数内外にかかわらずアーリーエントリー選手を保有することができる。