アランマーレ秋田が今季最終戦に臨み、富士通に45-70で大敗した。小沢彩佳(27)が、両軍最多の3点シュート(3P)5本の15得点を決めたが、11点差を追う第3クオーター(Q)から突き放され、7連敗で今季を終えた。目標のプレーオフ(PO)進出は逃したものの、参入初年度の2勝22敗から8勝18敗と躍進。日本最北端にあるWリーグチームは、着実に成長を遂げている。

躍進のシーズンを白星で締めたい秋田だったが、そう簡単ではなかった。第3Q序盤に連続失点で15点差とされ、すぐさまタイムアウト(TO)を要求。小嶋裕二三ヘッドコーチ(HC、55)が指示を与え、立て直しを図ったが、速攻で失点すると後半2度目のTO。その直後も失点で悪い流れが続いた。一時は小沢の3Pなどで点差を縮めたが、シュートを決めきれず、終盤に連続失点を許し、「同点」は徐々に遠ざかった。

昨季はリーグのレベルに圧倒され、開幕16連敗を含む2勝22敗と差を痛感。それでも、嘉数唯(23)ら大卒5選手、北川愛理(24)が加わった今季はチーム力が格段にアップ。他チームに高さで負けても、複数人がからむリバウンド、機動力や3Pを見せ、PO争いはリーグ終盤まで演じた。小嶋HCは「まだまだ波が多いですけど、全員がいいピークを出せばある程度の力が出ると実感できたシーズンでした」と総括した。

今季のスローガンは「Break through 躍進」。開幕前に選手が考えて掲げたスローガンのように、逆境に負けじと上位を目指した。平松飛鳥(28)は「目標を達成できなかったのは、すごく悔しい気持ちと、応援してくれた皆さんにすごく申し訳ない気持ちもある。ただ、昨季よりも着実にレベルアップしたこと、認知度も徐々についてきたことは評価できる」。今季の終わりは来季への始まり-。さらなる高みへ、前進し続ける。