2026年に愛知県と名古屋市で共催する夏季アジア大会で、主催者のアジア・オリンピック評議会(OCA)が競泳の会場を東京に変更するよう要請していることが31日、関係者への取材で分かった。名古屋市のガイシプラザで行う計画に対し、OCAは施設が基準を満たしていないとして、東京五輪・パラリンピックの会場だった東京アクアティクスセンターの活用を求めている。
大会組織委員会などは現行計画での実施を希望しているが、協議は平行線という。主要競技を遠隔地で実施すれば、大会の開催意義や盛り上がりが大きく損なわれる可能性がある。
関係者によると、昨年10月にOCAの実質トップであるフセイン・ムサラム事務局長がガイシプラザを視察。世界水連会長でもある同氏は、バリアフリー対応が不十分であることや、プールサイドのスペース不足、練習用プールのコース幅が狭いことなどを挙げ、変更を求めた。
大会を巡っては、物価高などにより850億円とする大会経費の大幅な増大が見込まれ、選手村の建設を取りやめるなど対応を迫られている。東京五輪の汚職、談合事件の影響もあり、スポンサー集めも滞っている。(共同)