男子団体は開志国際が帝京長岡に3-0で勝ち、V4を決めた。1-0(1勝2引き分け)で迎えた副将戦で菅原翔太(2年)が開始34秒に背負い投げを決め、大将戦を待たずに優勝を手にした。荒川中時代はただ1人の柔道部員で中2から開志国際の練習に参加してきた。今春の地区大会からメンバー入りした「急成長株」が優勝をたぐり寄せた。

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勝利の喜びを抑えられなかった。菅原は開始34秒で相手を背負い投げで仕留めると雄たけびをあげた。勝利とチームのV4を同時に決めた一本勝ち。主審に注意されるほどの歓喜の爆発だった。「ずっと相手の圧を感じていた。背負いが決まってホッとしてしまった」。対戦した帝京長岡・柳沼勇世(2年)から受けていたプレッシャーをはね返し喜びは沸点まで達した。

決勝メンバーのうち4人が2年生。しかし3年生を含めて誰よりも開志国際柔道になじんでいたのが菅原だった。荒川中2年春から土、日を利用して練習参加。同中でただ1人だった柔道部員は「全国大会に出たい」と村上市の隣にある胎内市の強豪校に飛び込んだ。「最初はキツかったけれど慣れた」。中3の全中には荒川中ただ1人の柔道部員は個人81キロ級で出場を果たしていた。

もっとも高校でのメンバー入りは本年度から。3月の全国選手権ではメンバー外で、大倉太監督(55)は「急成長」と言う。2月の魁春旗(福島)3位、5月の橘川杯(富山)準優勝などで頭角を現し、地区大会からメンバー入り。強い選手のYouTubeなどを見て苦手な組み手を研究した成果だった。インターハイは菅原にとっては高校初の全国大会。「背負いに入るタイミングを速くしたい」と大舞台に向け、まだまだ成長する。【涌井幹雄】