ブースターに新しい景色を-。5季連続で仙台89ERSの一員として23-24シーズンを迎える片岡大晴(37)は、開幕を前に「『やっていて良かったな』と思えるようなシーズンにしたい」と思いを語った。チームは21-22年B1昇格、22-23年B1残留と着実に階段を上ってきた。次の目標は26年からスタートする「Bリーグプレミア参戦」だ。今季を戦い抜いた先に、新しい景色が待っている。

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「昨季からもう1つステップアップしたい」。チームが掲げた目標は「30勝」。片岡は「(30勝は)まず、目指すべきところ。やっぱり勝ちたいですし、チャンピオンシップ(CS)にも行きたいという思いがある。もう僕らは新規参入ではないので」と、自らを奮い立たせた。だが、「30勝」はあくまで第1段階だ。

16年にBリーグが開幕。リーグ初年度をB1東地区で戦った仙台89ERSは、14勝46敗と振るわず、残留プレーオフにも敗れB2降格。片岡はその降格を経験した。その後、他チームを経て19年に仙台に復帰し、B2で3シーズン。21-22年についに悲願のB1復帰を決めた。常々「ブースターの皆さんにB1の景色を見せたい」と語っていた片岡。昨季はその目標をかなえただけでなく、19勝41敗で残留も決め、今季もブースターにB1の景色を届けられるようになった。

“新しい景色を見せたい”。そのマインドは、Bリーグプレミアに対しても同じだ。「どんな世界かはまだ分からない。でも、世界第2位を目指すと言っている大きなリーグができて、そこに僕らが行けたら、地域の人が楽しめる機会がもっともっと増える」。片岡は笑顔で続けた。「それが達成できた時ってすごくうれしいんじゃないかな」。

片岡は12月24日で38歳を迎える。チームでは最年長となったが、「『やっていて良かったな』と思えるようなシーズンにしたい」という思いはこれまでと何も変わらない。「年齢と向き合えるのはここまで続けてきたから。真っ向勝負で向かっていきたい。もっと挑戦したいです」。ベテランが今季も躍動し、将来のナイナーズ、宮城に可能性をつないでいく。【濱本神威】