6大会連続オリンピック(五輪)出場を目指す世界ランキング8位の日本が開幕2連勝を飾った。同18位のアルゼンチンにストレート勝ち。初戦の前日16日のペルー(同29位)戦に続き、強化を図ってきたサーブで主導権を握った。92年バルセロナ五輪以来となる開幕1年前での出場権獲得へ加速。3戦目となる次戦は、19日に同22位のプエルトリコと対戦する。

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勝利をたぐり寄せたのは強気のサーブだった。主将の古賀が徹底マークにあい第2セット中盤まで無得点に封じられる中、各選手がサーブで守備を崩して流れを渡さなかった。

局面では、リリーフサーバーで登場した21歳の和田が男子顔負けの強烈サーブを相手コートに打ち込むと、セッター関も2本のエースを決めた。一時はリードを許した第3セットも、攻守に好調の宮部が決めて立て直した。6本のサービスエースが要所で飛び出し、真鍋監督は「サーブへの意識が全く違う。スピードも全く違う」とたたえた。

「サーブで崩せない選手は絶対に外す」。5月に代表候補40人を選出した際、真鍋監督はそう、げきを飛ばした。今季の最重要項目に位置付け、メンタルコーチやデータ分析チームなどに加え、元代表の竹下佳江さん、中道瞳さんらを含めた特別チーム「タスクフォース」を結成。重点的に課題克服を図ってきた。大会1カ月前の鹿児島合宿には、九産大からバイオメカニズムを専門とする増村雅尚氏を招集。肩とサーブ速度の関連性など、物理的な観点からもアプローチした。古賀は「みんなが効果的なサーブを打てている。スピードや緩急、ショートサーブだったりとか、それぞれ頭を使えている」と手応えを得た。

さらに「サーブだけは練習を10時間やろうが、うまくならない。5セット目の14点、そういった緊張感の中でいかに集中して打てるかが非常に重要」(真鍋監督)と、技術だけではなく精神面も見直した。専門の講師によるメンタル指導も受け、古賀は「心拍数が上がる競技なので、呼吸は思考を落ち着かせるっていう上で大切という話しを伺った」と、呼吸法にも意識を向けるようになった。

チームはさらなる高みを目指す。真鍋監督は「世界のトップには正面(のサーブ)はぴたっと返される。サーブでかなり崩せているイメージはついてきたが、さらにミスを減らすのが理想」と現状に慢心はない。新たな武器に磨きをかけ、世界の壁を打ち破る。【勝部晃多】

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