バスケットボールB2リーグ昇格1年目のベルテックス静岡が5日、ホーム静岡市中央体育館に神戸を迎え、今季リーグ戦の幕を開ける。
2回目はコーチ陣をピックアップ。チームを指揮して4季目のファクンド・ミュラー監督(50=アルゼンチン)が、今チームの強みなどについて答えた。昨季限りでユニホームを脱ぎ、監督と選手のつなぎ役となった大石慎之介アシスタントコーチ(AC、35=沼津市出身)にも話を聞いた。【倉橋徹也】
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ミュラー監督が新舞台でのシーズン開幕を心待ちにしている。シーズン序盤はホーム戦が多い。「ホームもアウェーも同じバスケをやっていかないと」と前置きしつつ「多くの人が応援してくれるホーム戦は有利」と話す。ファンの後押しを味方につける。8月の来日後、チームを指揮して1カ月半。「楽しみ。早く始まってほしい」と望んだ。
指揮官にとっても初めてのB2。難しい戦いも予想される。チームはSGのトーマス・ブロープレー(32=米国)やPG大塚勇人(33)ら5人の新加入選手を迎えた。若手ながら特別指定選手でアジア競技大会日本代表のC兼PF市川真人(22=静岡学園高出)も擁する。守備はこれまでと大きく変わらないというが強度を増した。攻撃は「昨季のパターンもあれば、新しい選手に合わせる形もある」とバリエーションの豊富さをうかがわせた。
先月のプレシーズンマッチ・B3東京U戦では初戦を66-72。課題を修正した2戦目は90-53と快勝。「良い点も、悪い点もあった」。その後の天皇杯ではB1群馬に69-82。負けはしたが格上を相手に善戦。「ターンオーバーを少なくする課題が見えた。それ以外はいい試合だった」と手ごたえを口にした。
今季は昨季より8戦増の60試合あり、水曜日の試合もある。B2に慣れていく序盤戦は「私の求めるバスケを遂行しきれるか分からない」としたが「試合をこなすごとにレベルアップしたい」。その上で「来季B2以上にいること」と目標を掲げ、プレーオフ進出への意欲も示した。まずは神戸戦で昇格後の初勝利を狙う。「勝てるチャンスはある」と初戦を見据えた。
○…大石ACは選手らにサポートや助言をしている。自チームだけでなく相手の分析も任され、映像を編集して選手に見せている。1試合の編集に4~6時間。パソコン画面の見過ぎで最近は視力が落ちた(笑い)。映像を参考に良い点、悪い点の助言をする。より質を高めるため、守備で「プレッシャーをかける」「1歩詰める」「手を使う」などを細かく口うるさく言っている。昨季以上にアグレッシブな守備をファンのみなさんに見てほしい。手ごたえはあるが、伸びしろもまだある。ミュラー監督のやりたいバスケの浸透が早く、その中で選手の特長を崩さないよう良さを引き出すのも僕の仕事。大変だけど、選手らが結果につなげてくれたら僕は報われる。