国際オリンピック委員会(IOC)は8日、オンラインで臨時理事会を開き、ウクライナに侵攻したロシアと同盟国ベラルーシ両国の選手について、個人の中立選手(AIN)として来夏のパリ五輪参加を容認すると決めた。

ロシア、ベラルーシの国歌や国旗の使用を禁じる。団体競技での出場は認めず、積極的に侵攻を支持する選手、軍や治安当局の所属選手も対象外とする。反ドーピングに関する全ての要件を満たす必要があり、政府関係者を五輪に招待しないことも決定した。IOCによるとAINの出場は「ごく限られた数」になる見通し。現時点で出場資格を得た選手はロシア勢8人、ベラルーシ勢は3人にとどまる。

パリ五輪の大会組織委員会は「組織委の責任は国籍に関係なく、可能な限り最高の条件で出場権を得た選手を受け入れることだ」との声明を出し、五輪予選やAINの認定はIOCと国際競技連盟(IF)が責任を持つことだと指摘した。

電撃的に見える決定は、各国・地域やIFと入念に地ならしした上で合意形成を図った形だ。国際体操連盟の渡辺守成会長は「早く決定してくれたことは(予選など)作業を進めていく上でプラス」と反対派抑止力になることを期待した。だが、決定を受け、世界陸連のセバスチャン・コー会長は「陸上での出場はない。われわれの意見は変わらない」と認めない方針を表明。五輪開幕まで波乱含みの展開が続きそうな情勢だ。

○…ロシア勢が出場する場合でも参加する方針を明らかにしていたウクライナも、猛反発した。すでに各競技で60人以上が出場権を得ている。同国のビドニー青年スポーツ相代行はフェイスブックで声明を発表し、「無責任な決定を強く非難する」と述べた。今後は、ウクライナのスポーツ界や政治指導者と協議した上で参加を正式決定するという。