北京五輪女子マラソンを左太もも裏側の肉離れで欠場した野口みずき(シスメックス)が、ロンドン五輪での雪辱に意欲を示している。4年後は34歳。「年齢は関係ない。ただ今まで以上に監督、コーチに状態を報告し、コントロールしないといけない」と話す。自らの肉体と対話し、いかに故障せずに強化するかが今後の課題となる。

 北京五輪は38歳のコンスタンティナ・トメスク(ルーマニア)が優勝した。野口は連覇断念で失意の一方、「マラソンは走り込むほど面白くなる」との勇気も得た。身長150センチの体いっぱいに跳ねるような走りで、アテネ五輪では金メダルを獲得。その後も継続した筋力強化で右肩上がりの進化を遂げてきた。

 だが、藤田信之監督は「生理学的に加齢の影響は絶対にある。疲労の軽減度が変わると思う」と語る。小柄な野口には「世界一の練習」を課してきた。世界で戦うにはその質、量は保ちたい。監督は「練習のスパンを長くして乗せるものは乗せたい」と従来より十分な休息を挟むことで解決する考えでいる。

 故障は完治しておらず、ジョギングを再開したばかり。マラソン復帰も来秋になりそうだ。ロンドンは気候が涼しく、高速レースが見込まれる。今後のレース計画は未定だが、野口は「トラックやハーフマラソンで1秒でも自己記録を更新してスピードが衰えないようにしたい」と女王返り咲きへ、着々と力を蓄えるつもりでいる。(共同)