国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は30日、北京五輪陸上男子ハンマー投げで筋肉増強剤に陽性反応を示したベラルーシ2選手の処分について「分析結果で(違反は)議論の余地がない」と述べ、両選手の失格が確実であるとの見解を示した。当初5位の室伏広治(34=ミズノ)が銅メダルに繰り上がるのは時間の問題となった。

 同会長は、IOC規律委員会が禁止薬物の入手経路にも調査を広げていることを明らかにし「選手たちがどうやって薬を手に入れ、誰が手助けしたかを調べている。バッハ規律委員長からもう少し時間がほしいと要請された」と述べた。

 室伏は4年前のアテネ五輪でも1位選手のドーピング違反で金メダルを獲得した。日本陸上選手の五輪2大会連続メダルは男子棒高跳びの西田修平、女子マラソンの有森裕子に次いで3人目となる。

 IOCは北京五輪2位のワジム・デビャトフスキーと3位のイワン・チホンから、9月に規律委員会を開いて事情を聴取。今月17日を期限に両選手に新たな反論材料を提出する猶予を与えたが、その後も結論を下していない。