バスケットボールの全日本大学連盟と関東大学連盟は10日、東京都内で記者会見を開き、両連盟の前財務部長(57)が在任中の10年間にわたり、推定で総額約1億1300万円に上る資産を着服していたことを発表した。前財務部長は着服を認めて既に弁済を開始している。両連盟はこの日の緊急理事会で調査委員会を発足。引き続き返還を求める一方で、刑事告訴や民事提訴も検討する。

 両連盟によると、ことし3月、全日本大学連盟の会計報告決算書と、大会プログラムの広告主と交わした契約書を照合した際に、記載された数字が異なっていたことがきっかけで発覚。前財務部長は謝罪し、自己借入金の返済と商品先物取引の損失に充てたと話しているという。

 前財務部長は会計事務所勤務で、佐々木桂二・調査委委員長は「会計に精通した人間で、周りが信頼しきっていた。連盟のチェック機能、管理能力のなさが原因」と話した。