<体操:世界選手権>◇3日目◇15日◇ロンドン

 男子個人総合の決勝を行い、北京五輪銀メダリストで初出場の20歳、内村航平(日体大)が91・500点で金メダルに輝き、五輪、世界選手権を通じて日本勢最年少となる個人総合王者が誕生した。これまでの最年少はメキシコ五輪で優勝した加藤沢男の22歳。

 大会は2012年ロンドン五輪の会場で行われた。04年アテネ五輪の団体総合優勝で復活を遂げた「体操ニッポン」新世代のエースは2位に2・575点の大差をつけて優勝。3年後の五輪本番に向けて大きな弾みをつけた。

 世界選手権の個人総合優勝は1970年の監物永三、74年の笠松茂、05年の冨田洋之に続き4人目。五輪では東京大会で遠藤幸雄、メキシコ、ミュンヘン両大会で加藤、ロサンゼルス大会で具志堅幸司が優勝している。

 北京五輪王者の楊威(中国)や冨田らの引退で体操界の世代交代が進む中、13日の予選をトップ通過した内村は武器である難しさと美しさを両立した演技で世界に大きくアピールした。

 最初の種目の床運動で出場選手中最高の15・625点をマークすると、五輪で2度落下したあん馬ではほぼ完ぺきな演技を見せ、2種目目で早くもトップに浮上。その後もライバルたちとの差を広げた。最終種目の鉄棒は着地こそ乱れたが、ダイナミックな離れ技で会場を魅了した。