<フィギュアスケート:グランプリファイナル>◇9日◇カナダ・ケベック

 初めてのファイナルの緊張感が、羽生結弦(ゆづる、17=東北高)のリズムを乱していた。昼の公式練習では何度も成功させた4回転ジャンプだったが、直前の6分間練習で「カナダの歓声にびっくりしてしまって、1発目からタイミングが狂ってしまった」。着氷が乱れ、目標としていた連続ジャンプにもつながらなかった。

 それでも、過去2戦の経験を生かして、すかさず単発予定だった3回転ルッツを連続ジャンプに変更。傷口を最小限にとどめた。トップのパトリック・チャン(カナダ)とは7点差以上あるが、メダル圏内までは2点差もない。「フリーではこの雰囲気にのまれないよう、しっかり克服したい」と巻き返しを誓った。