<体操:東日本学生選手権>◇19日◇岩手県営体育館

 つり輪のワイヤが切れる事故が起き、男子の競技が中止となった。

 演技直前のウオーミングアップ中だったロンドン五輪代表の加藤凌平(順天堂大)が肩を痛めた。

 大会中に器具が壊れるのは異例で、主催の関東学生連盟によると、第46回を迎えた大会で器具の故障による中止は初めて。

 加藤が懸垂技を練習していた際に、上部から垂れ下がった1本のワイヤの下部の革製ベルト部分が切れた。20年近く前から使用する古い器具だったという。

 競技を約1時間中断して代わりのつり輪を用意したが、選手のコンディションなどを考慮して中止が決まった。女子は全競技を終えた。

 順天堂大の原田睦巳監督によると、加藤は片手でぶら下がる状態となって痛めたが、大事には至らなかったという。

 2000年シドニー五輪代表だった原田監督は「自分の現役時代も含めて、大会でこのような中止は初めて」と話した。