国際オリンピック委員会(IOC)は29日、ロシアのサンクトペテルブルクで開いた理事会で、2020年夏季五輪で実施する残り1競技の最終候補にレスリング、統合した野球とソフトボール、スカッシュの3競技を選んだ。採用競技は9月のIOC総会(ブエノスアイレス)で決まる。

 2月の理事会で除外の危機に陥った伝統競技のレスリングは、強豪の米ロや日本がアピールし、国際レスリング連盟(FILA)も組織改革に努めたことが功を奏し、実施競技存続へ道が開けた。五輪のために統合した野球とソフトボールも、3大会ぶりの復帰へ可能性を残した。

 空手、武術、ローラースポーツ、スポーツクライミング、水上スキーのウエークボードは落選した。

 IOCは2月の理事会で、昨年のロンドン五輪で実施した26競技からレスリングを除いた25の中核競技を選んだ。20年五輪はこの25競技に16年リオデジャネイロ五輪から採用のゴルフとラグビー7人制を加えた27競技の実施が決まり、最後の1枠が残っている。

 理事会では各競技がプレゼンテーションを行い、五輪採用を訴えた。

 鈴木義信・全日本野球協会副会長の話

 一時劣勢が伝えられていたが、候補競技に選ばれてほっとしている。9月のIOC総会に向け、引き続きIOC委員ならびに国内外の世論にアピールしたい。

 徳田寛・日本ソフトボール協会会長の話

 大変安堵(あんど)している。9月のIOC総会で、実施競技として選考されるために、最善の努力をしてまいる所存です。