<女子テニス:福岡国際>◇初日◇6日◇博多の森テニス競技場

 現役復帰第2戦目となるクルム伊達公子(37=フリー)は、土居美咲(17=JITC)と組んだダブルスで1回戦敗退となった。アリソン・バイ、ニコール・クリッツ組(オーストラリア)と対戦し、7-6、5-7からのスーパータイブレークを6-10で落とし、逆転負けした。それでも会場は、95年の開場以来初めて満席になるなど「伊達フィーバー」に。伊達は今日7日にシングルスで、この日敗れた24歳のクリッツと対戦する。

 岐阜でのカンガルー杯最終日から中1日。8日間で12試合を戦った伊達に、疲れがないはずはない。試合後は右足をアイシング。それでも「足は岐阜の時よりはいい状態です。連戦で負担はかかってくると思うけど、大きな心配はありません」。気丈に、笑顔で体調の不安を否定した。

 この日も円熟のプレーを披露した。若さとパワーで押す土居に対し、緩急のあるプレーで流れを引き寄せた。10点先取の第3セットは、一時2点リード。ただ「ボールや砂入り人工芝がフィットしない部分がありました。最終的に運がなかった」。惜しくも終盤に逆転を許し、ダブルスは初戦敗退となった。

 約12年ぶりの復帰戦でシングルス準優勝、ダブルス優勝という成績を出した伊達を一目見ようと、会場には多くのファンが詰めかけた。95年ユニバーシアードの会場として設立したセンターコートは、開場以来初めて満席となった。朝6時から観客が並び始め、3500枚出した整理券は昼前になくなった。昨年はわずか300人だった入場者数が、この日は3800人。「1度は満席にしたいと思っていました。伊達さんのおかげでトラブルもなく満席にできて喜んでいます」と九州テニス協会の合瀬武久副理事長(67)は、予想以上のフィーバーに喜びを隠せなかった。

 7日はシングルスで登場する。「どれだけシングルスでできるか、最大限力を出して楽しい時間を過ごしたい」。37歳の挑戦はまだまだ続く。【前田泰子】