<陸上:ローザンヌ国際>◇2日◇スイス・ローザンヌ

 陸上短距離で北京五輪3冠のウサイン・ボルト(22=ジャマイカ)がローザンヌ国際の男子200メートルを、19秒63で圧勝した。自身が五輪決勝でマークした19秒30の世界記録には及ばなかったが、0・9メートルの向かい風の中、最後の直線に入った時点で後続を引き離していた。最後は流しながら歴代4位タイの好タイム。ゴール後は弓を引く得意のポーズを決め、大歓声を浴びた。「エンジョイしながら走った」と、余裕の表情で振り返った。

 196センチの長身から生まれる爆発的なスピードに、ライバルも白旗状態だ。アテネ五輪金メダリストで、この日は8位に沈んだクロフォード(米国)は「あの体格で、あの走りをされては太刀打ちできない。短距離の新技術でも発明しなければ追いつけない」と肩を落とした。それでもボルトは「長いシーズンの終わりで疲れがたまっている。けがをしないように無理をしなかった」と話し、底知れない速さを秘めている。

 5日にはベルギー・ブリュッセルで行われるバンダム記念で、この日の100メートルを制したパウエルと激突する。大躍進した今季の最終レースとなるが「いつだって自信はある」と不敵に笑った。