<bjリーグプレシーズンゲーム:浜松東三河71-65滋賀>◇11日◇愛知・オーエスジー体育館

 今季からbjリーグに参戦する浜松・東三河フェニックスが、初めて同リーグとのプレシーズンゲームに臨み、71-65で滋賀レイクスターズを下した。日本バスケット界史上最長身の236センチセンター孫明明(スン・ミンミン=25)は、20分の出場で8得点6リバウンドの日本デビュー。まだ周囲とのコンビネーション不足は否めないが、高さは相手チームにとって脅威となりそうだ。今後は開幕前に6試合をこなし、10月18日の開幕戦(浜松アリーナ)に臨む。

 日本バスケット史上最長身の孫が、あいさつ代わりの来日初ダンクを披露した。第4クオーター(Q)の8分。左サイドからパスを受けると、わずかにジャンプしながらリングにボールをくぐらせた。「プレーの中のこと。特に思うことはない」。孫にとっては普通のプレーであることを強調した。

 来日10日目で先発に名を連ね、20分間のプレーで8得点、6リバウンドだった。「ルールが米国と違い、メンバーとも初めての試合。かみ合わない部分はあったが、まあまあ」。コートのどこにいても頭1つ以上抜け出す高さは際立ったが、周囲とのコンビネーション不足も露呈した。ボールが回ってこない場面もあり、中村和雄監督(67)は「観客は明明を見に来るのに、回さないはダメ。チームの王様は明明なんだとはっきりさせないと。明明も直すところはいっぱいあるが、利口で素直だから直してくる」と語気を強めた。

 外国人が何人でも同時出場できるbjにあっても、相手にとって236センチの高さが有効になりそうだ。滋賀・藤原隆充主将(30)は「あんなに大きな人間を見たのは初めて。(213センチの)レイ(シェファー)が小さく見えた。攻めても邪魔になるし、守りで跳んでも届かない」と苦笑いを浮かべた。

 新聞・雑誌9社に、テレビ6局が取材に訪れるなど、注目度は既に全国クラス。「報道ステーション」「行列のできる法律相談所」などの人気番組にも出演予定だ。開幕まで残り36日。孫は「個人もチームも普通にやれば問題ない」と言い残し「スッキリ!!」出演のため足早に東京へ向かった。【斎藤直樹】